ものもらい
細菌感染によって生じる麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と、まぶたの中に脂肪が溜まってできる霰粒腫(さんりゅうしゅ)があります。まぶたにある脂腺や汗腺に、細菌感染が生じます。ものもらいは、良性と悪性があり、良性はものもらい・脂漏性角化症(いぼ)・母斑(ほくろ)があります。
麦粒腫には、抗生剤の点眼や眼軟膏、内服薬を用いると1週間程度で改善します。腫れが酷く、膿がある場合は針を刺して排膿していきます。
霰粒腫のまぶたのしこりには、抗生剤や点眼、眼軟膏が効かないため、切開・摘出治療が必要です。ただし、小児や手術を希望しない場合は、ステロイドの点眼や眼軟膏を使用します。
まぶたのできものの多くは良性がほとんどですが、場合によってはガン等の悪性であることもあるので、特に中高年の方でなかなか治らないものもらいがある場合はお気軽に当院にご相談ください。
眼瞼痙攣
意図しない閉瞼を生じる病気を眼瞼痙攣といいます。目を閉じる眼輪筋が過度の緊張によって不随意な閉瞼を生じます。特に40代の女性に多くみられ、およそ半数の方が抗不安薬や睡眠導入薬の服用歴があることが分かっています。
眼瞼痙攣にはボツリヌス療法
ボツリヌス注射といって、A型ボツリヌス毒素という成分を痙攣している筋肉に注射し、神経の働きを抑制して過度に緊張している筋肉を緩めます。施術後2~5日で効果が見られ、およそ2~4カ月効果が持続します。効果が切れて、症状が現れてきたら注射を再度行います。
ボツリヌス療法Q&A
1回の注射で、効果はどれくらい持続しますか?
効果の持続はおよそ2~4カ月程度です。効果が見られるまでには1~2週間ほどかかります。注射の効果は、病状や体質によって異なります。
副作用はありますか?
稀に注射した部分に小さな出血が起こる場合があります。この出血は数日から2週間程でなくなります。
眉間やしわ取りに効果を得るには、どれぐらいの頻度で注射をすれば良いですか?
前回の注射から3カ月以上あけないと治療効果は得られません。薬効の消失に伴って症状が再発してきて、3カ月以上あけて注射を行うようにします。
注射後すぐにお化粧できますか?
すぐにお化粧できます。治療後にメイクをして帰宅できます。
眼瞼手術外来
当院では、眼瞼専門医によりまぶたの手術を実施しております。
毎月 日曜日(不定期)、詳しくはお問い合わせください。
※変更する場合もありますのでクリニックにお問い合わせください。
対象疾患は、眼瞼下垂、内反症、外反症、眼瞼腫瘍、
担当医師:山名 祐司
略歴
2015年 | 国立大学法人 浜松医科大学 医学部医学科 卒業 |
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2017年 | 国立病院機構 東京医療センター 眼科レジデント |
2019年 | 国立病院機構 東京医療センター 眼科チーフレジデント |
2020年 | 東京都立駒込病院 眼科常勤医 |
2022年 | 都内眼科クリニックにて 眼瞼専門医として勤務 |
所属学会
- 日本眼科学会
資格
- 眼科専門医
眼瞼下垂
まぶたを持ち上げる働きをする眼瞼挙筋が衰えて、眼が開きにくい状態を眼瞼下垂といいます。目が開きにくいために、顎を上げたり、眉毛を上げて物を見る癖がつき、おでこのしわが多くなる等、外見上の変化も及ぼします。頭痛や肩こりも酷くなる等、加齢に伴う諸症状に加え、ハードコンタクトレンズの長期使用が原因の場合もあります。症状が進行し、まぶたが覆い、見えにくさが酷くなった場合は手術を行います。
眼瞼下垂の原因
眼瞼下垂の原因は、先天性・後天性・偽眼瞼下垂の3つが挙げられます。
先天性
生まれつき眼瞼挙筋に異常があるのが原因です。この場合、片目だけ眼瞼下垂になることが多いのが特徴です。乳児期に治療する場合もありますが、視野や視覚に問題がなければ手術する必要はありません。先天性の眼瞼下垂は、斜視や弱視の原因になる場合があるため、専門医師と相談しながら様子を見ることをお薦めしています。
後天性
加齢に伴う筋肉の緩みをはじめ、長期間のハードコンタクトレンズの使用、スマートフォンやパソコンの長時間利用、顔面の外傷、花粉症等で眼をこすり過ぎたことが原因とされています。
偽眼瞼下垂
眼瞼下垂を発症していないのに、眼瞼下垂のような見た目になってしまう状態です。眼瞼痙攣や眉毛下垂、眼瞼皮膚弛緩の影響が大きいとされ、皮膚のたるみによって眼が開きにくい状態です。偽眼瞼下垂の場合は、眼瞼挙筋の異常はありません。
眼瞼下垂の手術
眼瞼下垂の手術は、下がったまぶたを上げる手術を行います。まぶたを上げる腱膜を縫って縮めていきます。皮膚が余る場合は、同時に切除することもあります。手術所要時間は30~40分程度です。
術後について
手術後は、1~2週間ほどまぶたが腫れます。また、皮膚の緊張状態や弛緩程度によって考慮できない場合がありますが、術後は二重瞼になります。
手術後翌日までは眼帯をし、約1週間後に抜糸を行います。定期的に術後の経過観察を行います。まれに、ドライアイになる場合がありますが、ドライアイ用の点眼薬で様子を見ます。長期間過ぎると、効果が弱まることがありますが、その場合は再度手術を行います。
眼瞼下垂手術のQ&A
手術中は痛みがありますか?
基本的に局所麻酔を行うので痛みはありません。
傷痕は目立ちますか?
皮膚のしわに沿って切開するため、時間が経てば目立ちません。
再発する可能性はありますか?
再発する可能性はあります。特に、老人性眼瞼下垂の場合、手術で上がったまぶたが経年によって再度下垂することがあります。その場合は再手術を行います。
他の疾患で抗凝固剤を処方されていますが問題ありませんか?
1週間ほどお薬をやめるようお願いしています。休薬が不可能な病状の場合でも手術はできますが、術後の腫れが引くのに時間がかかります。
眼瞼内反(逆さまつ毛)
一般的に逆さまつ毛と言われる状態で、まつ毛が眼の表面に当たることで痛みや涙が出たりします。悪化すると視力障害を生じる場合があるため、注意が必要です。
眼瞼内反の原因
主な原因は、加齢によってまぶたを下に引っ張る腱膜や眼輪筋が緩むこと、まぶたの皮膚に近い側と眼球に近い側のバランスが崩れることが原因です。その他、外傷や結膜疾患、甲状腺疾患が原因の場合もあります。
お子さんの逆さまつげについて
先天性内反症といって、生まれつきの内反症の場合があります。お子さんの成長に伴って自然に改善することが多く、経過観察を行う場合がほとんどです。学童期になっても充血の症状が改善されない場合や、逆さまつげによって黒目が濁ってしまう場合は手術が必要になります。
眼瞼内反の手術
まつ毛の生え際付近の皮膚を横に切開し、緩んだ膜を縫って縮めます。まつ毛の生えている方向を変えるように縫合することで症状を改善していきます。手術所要時間は約30分です。
術後について
手術後1~2週間はまぶたが腫れ、1週間後に抜糸を行います。稀に再発することがありますが、その場合は再度手術を行います。