オルソケラトロジーとは
現在、子どもの近視抑制治療用のコンタクトレンズとして有効として注目を浴びているのが、寝ている間に近視矯正できる「オルソケラトロジー」です。ハードコンタクトを装着して寝るだけで、視力改善が図られるため昼間は裸眼で過ごせるコンタクトです。
オルソケラトロジー治療を開始してすぐは持続効果が弱いですが、毎日装着して寝る生活を続けることで1~2カ月後には非常に良好な裸眼視力を得られます。手術を受けなくても近視が矯正できる安全で画期的な治療法として、当院でもオルソケラトロジー(マイエメラルド)を導入しています。
オルソケラトロジーの1日の流れ
オルソケラトロジーは、以下のような方にお薦めです。
眼の手術に抵抗がある方
手術に対する不安や痛みへの怖さがある方、術後感染に不安がある方にお薦めです。
裸眼にこだわりがある方
眼鏡やコンタクトレンズによる眼の疲れや煩わしさが嫌な方にお薦めです。
スポーツをしている方
激しいスポーツ等、裸眼でスポーツを楽しみたい方にお薦めです。
オルソケラトロジーの安全性について
厚生労働省と米国FDAで認可されているレンズを使用しているので安全です。また、オルソケラトロジーは装着して寝るだけなので、手術による合併症がありません。何か問題が発生した場合は、レンズの装着をやめれば角膜を完全に元に戻すことが可能です。
オルソケラトロジーの治療の流れ
1初診
問診、カウンセリング、適正検査を行います。
2お試し装着
トライアルレンズを試しに装着してみます。トライアル期間は1週間ほどです。
3治療開始
1週間のお試し装着で裸眼視力に満足を得られたら治療開始します。レンズを受け取り、装着して寝る生活を送ります。
4定期検査
装着開始から1カ月、3カ月経過ごとに定期検査を行い、裸眼視力を測ります。
オルソケラトロジーQ&A
寝ている間に矯正されるのは何故ですか?
通常のコンタクトレンズとは異なり、中央部が扁平で角膜に圧がかかるように設計されています。装着して寝ることで、朝レンズを外すと角膜の形状が変化して視力が矯されます。
どうして日中裸眼で過ごせるのですか?
寝ている間に矯正された角膜の形状は、朝外しても裸眼で生活する一定時間は維持できます。装着時間は、6~8時間の就寝時間があれば効果が期待できます。
どんな疾患に効果がありますか?
オルソケラトロジーは、近視の進行を抑えると言われ、近視から中近視の方に適しているとされています。特に仮性近視や角膜が柔らかい若年層の方の近視抑制効果が期待できます。
効果があるのは近視だけですか?
矯正効果が見られるのは近視ですが、多少の乱視も矯正が可能です。遠視や老視には効果が見られません。
オルソケラトロジーにおける注意事項
- 強い近視や乱視、他の眼疾患がある方は適応できないことがあります。術前の適正検査の結果で判断します。
- 網膜の形状が安定するまでに1週間から1カ月程かかります。
- 就寝時に装着することに慣れる必要があります。異物感はさほどありませんが、ハードコンタクトを付けて寝ることに慣れて頂きます。